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令和 2年地方創生・産業振興対策特別委員会(10月20日)

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  1. 愛媛県議会 2020-10-20
    令和 2年地方創生・産業振興対策特別委員会(10月20日)


    取得元: 愛媛県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-05
    令和 2年地方創生産業振興対策特別委員会(10月20日) 地方創生産業振興対策特別委員会会議録   〇開催年月日  令和2年10月20日(火) 〇開会時刻   午前  9時59分 〇閉会時刻   午前  11時29分 〇場所     農林水産建設委員会室 〇審査・調査事項等  〇 県内水産物ブランド化販売促進に向けた取組みについて 〇出席委員[10人]  委員長     赤松  泰伸  委員      明比  昭治  委員      大西   誠  委員      大政  博文  委員      田中  克彦  委員      西岡   新  委員      西原   司  委員      福羅  浩一
     委員      松尾  和久  委員      横田  弘之 〇欠席委員[1人]  副委員長    松下  行吉 〇その他の出席者[0人] 〇出席理事者[4人] (農林水産部)  水産局長        岩井  誠司  ブランド戦略課長    久保田 英和  漁政課長        橋田  直久  水産課長        若下  藤雄               午前9時59分 開会 ○(赤松泰伸委員長) ただいまから、地方創生産業振興対策特別委員会を開会いたします。  本日、松下副委員長は欠席であります。  最初に、本日御出席いただきました理事者を紹介いたします。  水産局長から順次自己紹介をお願いします。 ○(水産局長) 水産局長の岩井でございます。よろしくお願いいたします。 ○(ブランド戦略課長) ブランド戦略課長の久保田でございます。どうぞよろしくお願いします。 ○(漁政課長) 漁政課長の橋田です。よろしくお願いいたします。 ○(水産課長) 水産課長の若下です。よろしくお願いいたします。 ○(赤松泰伸委員長) 以上で、理事者の紹介を終わります。  これより議事に入ります。  本日の会議録署名者松尾和久委員田中克彦委員を指名いたします。  本日の議題は、県内水産物ブランド化販売促進に向けた取組みについてであります。  議題について、理事者の説明を求めます。  お手元のマイクを使ってお願いします。 ○(漁政課長) それでは、御説明させていただきます。  漁政課では、本県水産業持続的発展のため、官民一体となって各種施策に取り組んでいますが、本日は、その一つである本県水産物販売促進活動ブランド化に焦点を当てて御説明させていただきます。  それでは、2ページを御覧ください。  本県は、瀬戸内海と宇和海という性質が異なる豊かな漁場環境に恵まれ、古くから多種多様な漁業が営まれております。平成30年の農林水産統計によると、海面漁業養殖業産出額が全国第3位と全国トップクラスの水産県で、中でもマダイ、ブリを中心とした魚類養殖業は、生産量、産出額ともに全国第1位、また、真珠についても全国第1位、さらに、マダイについては全国の半数以上を占めております。まさに水産王国えひめとして、各種振興施策を展開しているところでございます。  3ページを御覧ください。  その各種振興施策の一つとして、本日御説明させていただきます県内水産物ブランド化販売促進に向けた取組がございますが、この取組においては愛媛の強みを前面に押し出しており、愛媛の強みといたしましては、瀬戸内海、宇和海という性質の大きく異なる海を併せ持ち、漁船漁業、養殖業とバラエティーに富んだ商品をそれぞれのニーズに応じて提供することが可能であること、愛媛の水産関係業界、漁業者、漁協、加工流通業者などはその数が多く、さらにそれぞれが強い経営力を持ち、全国随一の産業クラスターを形成していること、さらに、それぞれの業態数が多いことから、それぞれのフットワークが軽く、マーケットニーズに柔軟に対応できる形態であること、関係者のこれまでのたゆまぬ努力により多量多品種養殖を実現し、養殖業のスーパーマーケット化が実現していること、豊かで美しくかつ養殖に適した海に囲まれた漁場を恒久的に利用すべく管理していることを挙げております。  これら愛媛の強みを生かし、かつブランドアイテムを駆使し、ニーズに応じた積極的な販売活動官民一体となって取り組むことで、水産王国えひめの座を堅持しております。  4ページを御覧ください。  続きまして、県の水産物のブランドコンセプトの柱である愛育フィッシュについて御説明申し上げます。  南予地域で盛んなマダイやブリなどの養殖につきましては、生産者が愛情を込め、高い技術を駆使して高品質な生産が行われておりますが、以前は、養殖魚は天然魚よりも劣っているというイメージが定着しておりましたので、魚類養殖日本一の本県から養殖魚のイメージを変えようと平成24年3月に県が名称を決定したものでございます。本県で育てた養殖魚を愛育フィッシュと呼び、これまで8年間にわたり、このキャッチフレーズの下、販売促進活動官民一体となって展開しており、本県水産物総産出額の約67%を占める愛育フィッシュのPRは、天然魚を含めた県水産物全体の販売促進の底上げにつながっていると考えております。  愛育フィッシュは、本県で生産された全ての養殖魚を対象としており、原則として名称の使用制限は設けておりません。県下地域では、各社の企業努力により様々なブランド魚を含めた高品質な養殖魚が生産され、販売されていますが、その販売にも愛育フィッシュという県の包括的なネーミングを使っていただいており、それが世間の信頼と販売力を生むことにつながり、民間企業の後方支援となっていると考えております。  5ページを御覧ください。  続きまして、具体的な活動事例について御説明させていただきます。  国内最大級水産展示商談会でありますジャパン・インターナショナル・シーフードショーに愛媛県ブースを出展し、愛育フィッシュを活用し、県内の水産関係業者等販路拡大を強力に支援しております。  平成25年度の初出展から8年連続で出展しており、県内事業者単独ではアプローチしにくい大手企業等に対し、愛育フィッシュを看板に信用力の高い愛媛県ブースを出展することで、バイヤー等との新たな接点をつくり出すなど、国内需要の創出、掘り起こしにつなげているところでございます。平成25年度から令和元年度までの累計、138社が出展、628件、約23億9,000万円の成約実績と報告を受けております。  また、今年度も新型コロナ対策を十分に講じた上で、9月30日から10月2日にかけて出展いたしましたが、厳しい環境下での出展であったことから、より強い商談となったとの報告もあり、今年度も一定の成果が見込まれています。  6ページを御覧ください。  続きまして、愛媛水産フェアでございます。  愛育フィッシュをはじめとする県産水産物の一層の販路拡大を図るため、首都圏や関西圏など大消費地の小売店等で、宇和島水産高校と連携し、フィッシュガールのマグロ解体ショーキラーコンテンツとして実施しております。今年度は新型コロナの影響で実施できておりませんが、コロナ禍においても実施可能な方策を現在、関係者と検討中で、ぜひとも開催したいと考えております。  7ページを御覧ください。  愛育フィッシュ販売促進活動は、海外にも展開しています。県では、平成22年度の中国を皮切りに海外販路開拓を行ってきましたが、平成26年4月に愛育フィッシュ輸出促進共同企業体、通称、オレンジウェーブを設立。県産養殖水産物輸出促進を図ることを目的として活動しております。オレンジウェーブは、漁協合併により現在は10社・団体となっておりますが、設立時は県下主要流通業者等11社・団体により組織され、官民一体となった販売促進活動を県の委託事業で実施しております。  8ページを御覧ください。  続きまして、具体的な活動について御説明申し上げます。  オレンジウェーブの活動といたしましては、これまでシンガポールマレーシア、ベトナム、UAE、アメリカ、カナダとその活動範囲を広げ、和食イベント現地スーパーでの販促、解体ショー展示会出展などを実施しております。知事によるトップセールスについても、マレーシアシンガポール現地高級スーパー和食レストランでのプロモーション活動をはじめ、昨年はカナダ・トロントにおいて、現地日本食レストラントップシェフの協力を得た和食まつりにおいて県産水産物などのPRを実施するなど、攻めの姿勢で積極的に事業を展開しているところでございます。  これらの活動の成果といたしましては、一例で申し上げますと、本県の税関を通過した水産物の輸出実績令和元年は約57億円と、オレンジウェーブ設立前の平成25年から約3.4倍に増加しております。  9ページを御覧ください。  続いて、本県水産物ブランド化の構図について御説明申し上げます。  まず、愛育フィッシュを包括的なネーミングとする養殖魚のブランド化に係る県の試験研究についてであります。  本県の養殖魚の約85%はブリとマダイであり、それらの需給バランスが崩れると価格は変動を繰り返し、多くの漁家の経営が不安定となり、地域産業全体へ大きな影響を及ぼすことが懸念されます。このため、県では、高収益が期待できる新しい養殖魚種の開発と既存の養殖魚の新たな養殖技術の開発を通じて、魚種の多様化と産地間競争に勝ち残るための差別化を図り、ブランド化につなげることとしております。  民間企業も、それぞれの企業努力により独自のブランドを展開しており、これらを併せて愛育フィッシュとして国内外へ販売促進活動を展開していくこととしております。  10ページを御覧ください。  まず、ハタ類から御説明申し上げます。  高級魚として有名なクエと味に定評のあるマハタは、元来、養殖魚種としての技術開発が期待され、昭和55年から研究を始めましたが、その養殖化への道のりは困難を極めました。親の確保から始まり、病気の克服、初期減耗など多くの難関をクリアするため地道な研究を続けた結果、平成16年と平成18年にそれぞれ量産化へこぎ着けましたが、成功までにはマハタが24年、クエは14年かかっております。以後、県水産研究センターにおいて、年により変動はありますが、年間数万尾単位で種苗を供給し続けており、本県によるハタ類養殖を産業化させることに成功しております。  11ページを御覧ください。  ハタ類のブランド化については、ハードとソフトの両面からサポートしています。ハード面では、平成21年1月に県水産研究センター種苗生産施設を建設し、現在も県において種苗生産を行い、有償配付を行っております。  また、ソフト面につきましては、魚類養殖の次代を担う人材を確保する目的で、平成18年から3年間、県が養成講座を開設し45人の漁業後継者認定漁業士として認定しました。そのメンバーが愛媛県認定漁業士協同組合を設立し、自らが生産し、自らが販売する取組を始めております。販売については、加工品の開発や量販店などでの販売促進活動に対する助成などのサポートを行いました。また、現在においても、水産業普及指導員のサポートや認定漁業士への種苗の優先配付も行っております。  高級魚であるハタ類を安定生産することで地域のブランドとなり、バリエーションのある養殖形態を構築することに成功しております。意欲のある漁業後継者による新魚種養殖とその販売の取組によって、高級魚であるハタ類をブランド化した事例でございます。  12ページを御覧ください。  続いて、スマについての説明でございます。  クエ、マハタに続く新たな養殖魚として、県では平成25年からスマの種苗生産養殖試験を開始するとともに、新しい高級養殖魚種としての価値創造に努め、平成26年から積極的な販売促進活動を実施しているところでございます。  種苗生産試験につきましては、現在、年間4万尾の生産が可能となり、累計約10万尾の種苗を生産しております。  民間事業者における養殖試験につきましては、生残率の向上、養殖技術の確立に努め、これまでの累計出荷数は約1万9,000尾となっております。  販売促進活動につきましては、販売検討会による戦略構築マスメディア等を活用したPR活動を積極的に行うとともに、海外販路開拓に向けた産地づくりに必要な輸出計画の策定も行っております。  また、ハード整備として、県水産研究センター種苗生産施設を建設し、現在、新施設で生産を行うとともに、スマの鮮度を維持するため、愛南漁協が平成28年に設置した高機能製氷機に対して補助を行い、総合的にスマをブランド化していく取組を講じております。  13ページを御覧ください。  スマの産業化に向けての計画と実績についてでございます。  種苗生産試験については、今年度4万尾、令和4年度以降、8万尾の種苗生産を計画しております。令和元年県水産研究センターに新設した種苗生産施設が順調に稼働しており、今年度の種苗生産実績は4万尾と計画どおり研究成果を上げております。  養殖試験については、平成29年度に6,000尾、令和6年度までに6万4,000尾の出荷を計画しており、平成29年度産の出荷は約5,700尾とおおむね目標を達成しております。なお、平成30年度産以降は現在出荷中であり、9月末現在で累計1万9,037尾を出荷しております。今年度につきましては、新型コロナの影響もあり、種苗配付尾数を抑制して試験をしておりますが、養殖歩留りの向上等の試験研究を続け、産業化に向けて引き続き取り組むこととしております。  14ページを御覧ください。  スマのブランド化についてであります。  スマは希少性が高く、高級感があり、成長が早く、海洋資源に優しい完全養殖、手頃なサイズで、既存の生けすを活用できるといった特性を持ち、有望な魚種であることから、産官学連携による取組を推進しております。  ブランド化の戦略として、非常に濃厚な味であることから、キャッチコピーを「愛媛育ちのまるごとトロ」とし、さらに、ブランドイメージを愛媛の貴重な海の恵みというコンセプトの下、平成27年に伊予の媛貴海と命名しました。差別化を図るために、サイズは2.5kg以上、脂肪含有率25%以上、一本釣りで取り上げ即締め、高機能氷輸送などといった一定のブランド基準を設けて販売戦略を構築しています。  15ページを御覧ください。  これまで一定のブランド基準を満たしたスマを伊予の媛貴海と商標登録し、販売していましたが、それ以外のものについては、他魚種と比較して高値で取引されるものの、単にスマとしてしか取り扱われておらず、関係業者等から本県産養殖スマを包括するネーミングを求める要望がありました。  そこで県では、伊予の媛貴海の今後の生産拡大を進めるためには、生産者増による生産基盤の裾野を広げることが重要であると考え、昨年11月に本県産養殖スマを包括するネーミングを媛スマと命名し、商標登録を行いました。さらに同月、生産者、漁協、大学、市町、県で構成する媛スマ普及促進協議会を設立し、媛スマの国内外での販売戦略の検討や計画的かつ安定的な生産体制の構築を図ることで、愛媛県産養殖スマブランド化をさらに強固なものとすることとしております。  16ページを御覧ください。  平成26年度から、養殖試験販売活動の両輪で始まっているスマのブランド化は、これまで流通体制づくりプレミアム化の推進、産地づくりの推進と段階を追って進めてきております。平成26年度から平成28年度までの3年間は流通体制づくりとして、販売戦略検討会、伊予の媛貴海の命名、全国初出荷、「愛」あるブランド認定などを実行し、平成29年度から令和元年度までの3年間はプレミアム化の推進として、定期出荷式ホテル等での注目食材としての利用、媛スマ命名、協議会の設立などを実行してまいりました。今年度から令和4年度までの3年間は、協議会での体制構築大都市百貨店等でのPR活動高級飲食店でのプロモーション活動、輸出に向けた段階的な産地づくりなどを行うこととしております。  媛スマのブランド化流通体制の目指すべき成果としては、プレミアム愛育フィッシュとしての地位確立、メディアを活用した全国的な知名度アップ、もうかる漁業とし、魚種の多様化による漁家経営の安定化、南予地域の活性化を目標としております。  17ページを御覧ください。  続いて、新しい技術によるブランド化でございます。  養殖魚種の差別化を図るために新しいブランドアイテムとして、県水産研究センターにおいて、みかんフィッシュチョコブリの開発を行いました。魚の生臭さを抑えるとともに、魚の色変わりを防止する目的で県が開発したみかんフィッシュですが、平成21年に開発に取り組み、平成26年に特許を出願するとともに商標登録も行い、現在、特許登録が完了しております。  産業ベースでは、宇和島プロジェクト南予ビージョイなどが既に商品化しており、その販路は国内のみならず、海外へも広がっています。4社と使用に係る特許実施契約を締結し、全国大手回転ずしチェーンや量販店などで販売され、現在までの売上げが43億円と大きな成果を上げています。  チョコブリについては、この商品も同様に県が開発したものでございますが、みかんフィッシュ同様、魚の色変わりを防止する目的で取り組んだものでございます。斬新な発想とネーミングに人気が集まり、平成30年の発表以来、話題を集め、くら寿司での販売やロッテとのコラボ販売は成功を収めております。技術については現在、特許出願中で、商標は登録済みとなっています。これらは、販売促進活動キラーコンテンツとして活躍しているところでございます。  18ページを御覧ください。  続いて、ブランド化へのアイテムについて御説明申し上げます。  近年、そのニーズが世界的に高まっている漁業認証でございます。資源や環境に配慮した持続的な漁業に対しての認証制度ですが、SDGs、持続的な開発目標が世界的に注目されているため、その取得に取り組んでいる企業、商品は優先的に取り扱われるケースが多くなっており、特に欧米諸国ではそのニーズが高く、国内でもイオンなどが取り扱い、さらには2020東京オリパラ食料調達基準に採用されるなど、活躍の場が広がっています。  水産物の需要は、国内においては少子高齢化や魚離れなどで減少すると見込まれている一方、世界的には人口増加などにより増加すると見込まれ、輸出の重要度は増しております。漁業認証を取得することで、特に海外市場への販路が大きく拡大することが期待されるとともに、商品に対する社会的地位も向上すると見込まれることから、県としては、認証取得に必要な経費の一部を補助し、取得支援を行っています。県内各社が取得した漁業認証は、国内外を問わず、各社の重要な商品アイテムとして活躍しています。  19ページを御覧ください。  続いて、HACCP認証について御説明申し上げます。
     北米などへ水産物を輸出する際に必要なHACCPですが、食の安心・安全への関心の高まりから、そのニーズが高まっているところでございます。県内水産関係企業HACCP取得状況については、対米HACCPが愛媛県漁協ほか19業者で取得済みであり、対EUHACCPがイヨスイほか3業者で取得済みでございます。  一方、問題点といたしましては、施設が老朽化し、改修が必要となっていること、未対応の魚種があること、未取得の企業があることなどが挙げられます。そこで県では、国の事業を活用し、県内企業HACCP施設を強化することで、産地における輸出基盤整備を図ることとしております。令和2年度は、当初と6月補正と合わせて約1億2,000万円の予算を計上し、2施設の設備を支援しています。  事業の実施により、安心・安全な魚の供給はもとより、輸出の促進が図られるブランド化アイテムの一つとして販売を後押しすることを期待しています。  20ページを御覧ください。  最後に、コロナ禍における本県水産業の現状についてでございます。  本日御説明させていただいたように、県は、これまでブランドアイテムを活用し、各種販売促進活動を展開してきたところでございますが、新型コロナ感染拡大により、本県水産業の基盤さえ揺るがしかねない厳しい状況が続いております。飲食店向けが大きなダメージを受け、一例では、大消費地である東京都の市場の4月の活魚マダイの取扱量が、昨年同月比57%減と大幅に減少するなど、深刻な影響が出ています。  21ページを御覧ください。  このような中、県では国の緊急経済対策事業を活用し、新型コロナ感染拡大の影響を大きく受けている養殖マダイなどへの対策として、金融、ハード面の支援はもとより、学校給食への食材提供やスーパーでの販売促進といった魚の消費拡大を図る取組を今年4月以降、数次にわたり予算化しており、それらを統一コンセプトえひめ水産応援プロジェクトと銘打ち、事業効果のさらなる向上に努めているところでございます。  特に、販売促進分野においては、県内流通企業等スーパー小売店で実施する販促PR活動への支援や、既存事業においては、ウィズコロナの新しい生活様式の中でも実施できる活動を今後、展開していくこととしております。  具体的には、首都圏等での愛媛水産フェアの開催、オレンジウェーブとの官民一体となった海外販路拡大活動養殖スマ販売戦略生産体制の構築や輸出商材の創造、漁協女性部による商品づくりイベント販売等への支援、魚食普及に向けたイベント等でのメニュー提案等への支援、HACCP施設整備補助輸出産地づくりへの支援等を感染拡大に留意し、コロナ禍においても実施できる範囲で工夫しながら効果的に実施することとしています。  以上が県内水産物ブランド化販売促進に向けた取組についてでございます。今後とも生産者、事業者に寄り添い、支援を行ってまいりたいと考えておりますので、委員各位におかれましては、今後とも御指導、御支援のほどお願い申し上げます。  説明は以上でございます。 ○(赤松泰伸委員長) 以上で理事者の説明が終わりました。  委員の皆さん、議題に関する質疑はありませんか。 ○(大政博文委員) 水産物をブランド化することによって高い値段で売れると、水産業者の収入増につながるし、愛媛県にしてみたら、知名度やイメージのアップなど、いろいろな利点はあるでしょうが、一方で、消費者にしてみたら、やはり安いものをおいしく食べたいというニーズもありまして、そのバランスをどう考えるかということも大事だと思います。県では価格をある程度のレベルで維持するために、例えば値段が下がるときには生産調整をするのか、それとも市場原理に任せているのか、そのあたりの考え方を教えていただいたらと思います。 ○(漁政課長) 高値維持のための生産調整は難しいところですが、先ほどブランド化でも御説明させていただきました、消費者に買っていただけるもの、例えば、漁業認証みかんフィッシュなど、高付加価値のものを提供することによって、多少高くても買ってみようという消費者ニーズを喚起して、価格の維持に努めたいと考えております。 ○(大政博文委員) スマを例に取ってみますと、先ほど説明がありました伊予の媛貴海は愛媛県がある程度の公費を入れてブランド化に成功したけれども、普通のスーパーで買おうと思ってもなかなか置いてないし、愛媛県民がこのスマを食べる機会があまりないように思います。  水産業者の収入を上げることも大事でしょうが、愛媛県が公費を入れて開発したということは、県民にもある程度メリットが享受できる仕組みも必要ではないかと思いますけれども、そのあたりはどのように考えられますか。 ○(漁政課長) スマに関しましては、生産開発からまだ年数が短く、また、稚魚の共食いなど、生産におけるいろいろな問題もありまして、これまで供給量が安定しなかったため、なかなか愛媛県内で食べられないというお声を私どもの方にもいただいています。  ようやく平成30年産や令和元年産あたりのスマから、ある程度の数量が確保されつつある状況になって、愛南町ではコンスタントに飲食店で提供されていますけれども、今年度からは、それ以外でも、例えば各地のイオンをはじめとする県内のスーパーマーケットや飲食店でも提供できるようになっています。県ホームページや情報誌で取扱店をPRしておりまして、県民の皆様に食べていただいて、その味を楽しんでもらいたいと考えております。 ○(大政博文委員) ぜひこのブランド化によって愛媛県のイメージアップと水産業者の所得向上、それから、もう一つ言うと一般県民、消費者が、ほかの県ではなかなか食べられないけれども愛媛県民は食べていますよというメリットにつながれば一番理想ではないかと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 ○(赤松泰伸委員長) ほかに。 ○(松尾和久委員) 愛育フィッシュブランド化を進め始めてはや8年ということですが、私が県議になった後、イオンに買物に行ったときに、県職員の皆さんがはっぴを着て、愛育フィッシュののぼりを立てて売り始めていまして、もう8年もたったのかと思いました。  この資料に、広報PRの使用制限なしとなっていますけれども、使用制限をなくして、県内の業者さんが出荷するときに、今、どのくらい使ってもらっているのか把握されていますか。 ○(漁政課長) 総量の中での使用量のパーセンテージは把握しておりませんが、愛育フィッシュは愛媛県産をPRする際のいいコンテンツということで、各業者からは愛育フィッシュ販促シールの配布要望が多く寄せられておりまして、私どもの方から提供して貼っていただいております。  ただ、そういうシールを貼らないでほしいというスーパーマーケットなどもあるようですので、全量に貼ることにはなっていないようですけれども、それぞれの水産業者と小売店との商取引の中で、極力使っていただいている状況になっております。 ○(松尾和久委員) おっしゃっていたように、こういったロゴを作る目的は、愛媛県産を知ってもらい、安心感を与えて買ってもらうということです。できるだけ使ってもらえるように制限なしにされていると思いますので、業者さんがこれを使うメリットを感じてくれていたら年々増えているはずだと思います。  県がせっかくこれを進めてきて、業者さんにどのように捉えられているのか、もし使われていないのであれば使われていない理由は一体何だろうかともう一回見直すことも含めて、どのくらい認知度が上がっているか、年々どのくらい使用が増えているか、利用してもらっているか、少し把握されてみたらいいと思いますが、どうでしょうか。 ○(漁政課長) 私どもから提供しておりますコンテンツの利用につきましては、コンスタントに右肩上がりの形になっていますので、皆さんに使っていただいている実感はありますが、おっしゃられたように、総量の中でどの程度使っていただいているかまでは把握しておりません。  また、愛育フィッシュ共同企業体の会議の場等で流通関係者等に確認するなど、使用実態の把握に取り組みたいと考えております。 ○(松尾和久委員) 後のフォローとして、そういうところも確認しながら次へ進んだらどうかと思いますので、ぜひお願いします。  それから、構いませんか。 ○(赤松泰伸委員長) どうぞ。 ○(松尾和久委員) コロナの中でどの業種も苦労されていると思いますが、この漁業もお話を聞くと例外ではなくて、4月の出荷量や値が大分下がっていたということですが、この7、8、9月ぐらいで、現状どのように持ち直してきているのでしょうか。 ○(漁政課長) 愛媛県水産物の養殖の中で、主要なマダイとブリについて御説明させていただきます。  養殖マダイの取扱量については、20ページの資料にありますように4月の東京の市場では昨年比57%減と非常に落ち込んでおりまして、各業者にお伺いしても例年の3割、4割ぐらいに減ったという意見が多かったのですが、緊急事態宣言の解除後、6月以降は徐々に持ち直したものの、現在も例年に比べて2割、3割減と予断を許さない状況になっております。  また、価格に関しては下げ止まったとの声も聞きますが、現在の浜値約500円は生産原価を下回っておりますので、今後の価格回復を期待している状況です。  養殖ブリに関しましては、出荷のピークが10月から1月でありまして、昨年度産はコロナの影響を受ける前に出荷がおおむね終わっていたため、影響は少なかったのですが、輸出に関しまして、愛媛県では、通関ベースで大体1割が国外向けの輸出、他県では、主要産地の漁協で3割、4割を北米に輸出している漁協もあると聞いております。特に北米向けの輸出が十分に回復していないため、冷凍庫に昨年産のブリが滞留しておりまして、今後の出荷が懸念されているほか、価格も700円程度と弱含みとなっています。 ○(松尾和久委員) マダイにしてもブリにしても結局生き物が相手なので、成長が止まらず、大きくなってしまう以上、出荷せざるを得ない時期がいつか来ると思います。おっしゃったように、まだ昨年産が残っている中で、出荷したいけれどもできない、だけど飼ってもおけない、それ以上餌をやっても採算が取れないという現状があるとちらほら聞くのですが、県としてはどのように把握されていますか。 ○(漁政課長) まずマダイに関しましては、春先には本当に荷が動かなかったのですけれども、6月以降、若干荷動きがし始めまして、今年池入れした稚魚も例年よりかなり少なかった状況ですので、生けすは全体的に3月、4月のときほどの混み合いではないと各業者から伺っております。ただ当然、昨年度の今の状況と比べて、魚がまだ多いとのことですので、これを販売していかなければならない状況です。  ブリに関しましては、販売はこれからになりますので、どのように売っていくか、皆さん非常に懸念されております。今後、ブリはマダイよりは荷動きがいいのではないかという流通業者からの御意見も多いので、出荷が始まる10月以降の状況を注視したいと考えております。  それらを含めまして、支援策といたしましては、先ほど説明させていただきましたように、学校給食での供給や販売キャンペーンなど、魚が売れるように支援させていただいております。 ○(松尾和久委員) 昨日、赤松委員長も委員会で質問されていたのですけれども、裸麦と同様に、やはり作ったはいいけれども売れないというのが生産者にとっては一番つらいところですので、ぜひそういうところを見ていただきながら検討して、サポートしてもらったらと思います。  もう一ついいですか。 ○(赤松泰伸委員長) はい、どうぞ。 ○(松尾和久委員) これから販売していこうというときに、このコロナの中で意外とウェブでの会議などが定着してきて、過去には出張しなければいけないと思っていたことが、意外とウェブで済んだということになってきたと思います。企業の皆さんに聞いても、もう出張は減るだろうと言っていますが、いろいろと商談などはすると思いますので、今後、海外にしても国内にしても、ウェブで商談会を開くことを県としてサポートや企画してみようということはありませんか。 ○(漁政課長) 委員お話のとおりで、こういうコロナの中では、特に海外に関しましてはなかなか渡航もできない状況でございます。  例年、愛媛県が各業者と出展していました魚の輸出EXPOが、今年度に関しましては、海外のバイヤーと愛媛県内の事業者がウェブ会議形式で開催されまして、県としても出展支援を行ったところです。  実際の営業の場におきましても、ウェブ会議のみならず、メールや電話など、いろいろな手段を通じて、今までの営業の資産を生かした営業活動を行っております。例えば海外に関しまして、昨年知事がトップセールスを行ったカナダのトロントについても、本当はお伺いして後押しのセールスをしたかったのですが、できなかったので、現地と連携を取りながら、県産魚や宣伝商材を送り、実際に現地のレストラン関係者に対するプロモーションを行いまして、SNSを活用した宣伝も取り入れておりますので、今後ともそのような取組は続けていきたいと思います。  ただ各業者に意見をお伺いしましても、今までお付き合いがあるところはそれで何とかなっても、新しく開拓するところはやはりフェース・ツー・フェースが商談の原則になるので、その辺がしんどいというお話を聞いております。 ○(松尾和久委員) 今後、生産者の人が続けていけるように、ぜひサポートをしてあげてください。どうぞよろしくお願いします。 ○(赤松泰伸委員長) ほかに。 ○(田中克彦委員) 先ほどの御説明の中で、昨年度の水産物の輸出実績が約57億円で、平成25年から約3.4倍とお聞きしたのですが、その実績ベースからすれば今年度は相当厳しいと思います。  先ほど北米のお話がありましたが、今後、北半球はなかなか厳しい状況だと思いますけれども、ヨーロッパやアジアを含めた海外の輸出は、現状はどうで、見込みはどのようにお考えなのか、もし分かりましたら教えていただけたらと思います。 ○(漁政課長) 輸出の数量に関しまして、愛媛通関の資料をベースに御説明させていただいきます。  輸出先は韓国、中国及びアメリカが主な輸出先でありまして、特に一番多い韓国は愛媛から活魚船で輸出しますので、数量、金額とも大きくなっています。  輸出につきましては、最初に2月に中国への輸出が止まりまして、その後、韓国が落ち込み、さらに北米も止まったという状況です。現在は、韓国及び中国は昨年を上回る出荷量となっていますが、価格安によりまして、輸出額は大きく落ち込んでおります。北米向けの出荷量は戻りつつありますが、いまだ昨年を大きく下回っています。 ○(田中克彦委員) 分かりました。実績ベースを見ながら、生産者の方の立場に立ってどう対応されていくか、今後の課題だと思います。  世界的に生活様式が変わってくるでしょうし、日本国内でも、飲食店などで魚を食べるより、どちらかというとスーパーで買って家で食べる比率の方が高くなるのではないかと想定されます。ヨーロッパの方でも波が来ると夜間の外出は禁止されることが起こるように、生活様式が変わることで食生活そのものも左右されてくると思います。  そういう点では、これまでの販売の実績や在り方、そのお付き合いは大事にしながらも、今後の生活様式が変わっていくことを想定した販売促進やセールスの視点が、県内、国内も含めて必要だと思いますけれども、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。 ○(漁政課長) 委員おっしゃるとおりで、今回のウィズコロナ、アフターコロナで、需要の形がいろいろと変わってくると想定されます。  本県は生産者が多く、出荷先の様々なニーズに合わせた供給体制を構築しております。魚のスーパーマーケット化でどんな魚でも、どういうサイズでも供給できることを強みにしてまいりました。外食産業とスーパーがニーズとするサイズは異なりますので、例えばスーパーがニーズとするサイズを中心に出荷のサイクルを組み立てていくことについては、また考えていかなければいけない状況になると思います。  今後も、実需者のニーズに合わせて、生産者と連携しながら、愛媛の供給能力が高いという強みを生かした販売促進等を講じてまいりたいと考えております。 ○(田中克彦委員) 消費者の方の動きがどうなってくるか、なかなか想定できない部分もあると思いますが、ぜひ今後もそういうニーズに対応していただければありがたいと思います。  続けて構いませんか。 ○(赤松泰伸委員長) はい、どうぞ。 ○(田中克彦委員) ブランド化というのは、何となくイメージとしてはよく見聞きする言葉になってきたのですけれども、では、ブランド化することのいわゆる利点は、一番分かりやすい点でいうとどういうところなのか。また、ブランド化を継続する、いわゆる高品質、高レベルで維持することもなかなか大変だと思いますけれども、ブランド化した段階から、さらに継続させていくという点で、今後の課題として問題意識をお持ちの部分があれば、その点も教えていただけたらと思います。 ○(ブランド戦略課長) ブランド化は様々な意味で使われておりますが、もともとはノルウェー語で焼印したものという言葉が由来となっておりまして、他産品との差別化を図っていく取組と考えております。  高級なものからスーパーに流れていくもの、様々ありますけれども、ブランド化を進めるにあたっては、生産者一人一人が一生懸命生産している思いを商品に込めて、消費者に愛媛のものをしっかりと認識していただいて、選んでもらうことが重要であると考えております。 ○(田中克彦委員) ブランド化を維持していくのはなかなか大変だと思いますけれども、継続して地域の経済を活性化させていくという点でも大事ですので、ぜひ引き続きよろしくお願いしたいと思います。  最後に、構いませんか。 ○(赤松泰伸委員長) はい、どうぞ。 ○(田中克彦委員) 水産物のブランド化のお話をいろいろと聞いていると、やはり品種改良や試験をされている水産研究センターの役割は非常に大きいと思います。消費者の方にはブランド化して売られてしまうとどうしてもその辺の苦労はあまり伝わらない部分ではありますし、逆にその研究が早いか遅いかで評価される厳しい側面もあろうかと思います。  水産研究センターの試験や研究がすごく大きな役割を果たさないと、その先に進めないということも、やはり行政の側から何らかの形でアピールしていくことが必要ではないかと思います。今後、そういう部分もPRの中に込めることもぜひお考えいただけたらと思います。これは要望ということでよろしくお願いします。 ○(赤松泰伸委員長) コメントありますか。 ○(水産課長) 水産研究センターでは、当然試験研究を主にしていますが、スマにしてもそうですけれども、単に魚種を増やすだけではなく売れる魚を作るということで、大型ブリのチョコブリも日持ちさせるというニーズを踏まえたものとなっており、最終的にどのようなことが求められるのか、昔と違って最近は、常に出口を意識した試験研究を進めています。 ○(赤松泰伸委員長) 暫時休憩いたします。11時5分から再開いたします。               午前10時53分 休憩            ――――――――――――――               午前11時5分 再開 ○(赤松泰伸委員長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(大西誠委員) 県内水産物ブランド化販売促進をこれからも継続発展させていくということですが、前段のことをお聞きしたい。  冒頭で御説明いただきました愛媛県の水産業の特徴について、非常にバラエティーに富んでいて、全国随一の産業クラスターをつくって、多量多品種で柔軟に対応することが重要であるということは、裏返すと、中小零細の漁業者、家族経営が多いということにつながると思います。  海外の養殖業者などは超大規模で、経営基盤がしっかりしている。その反面、愛媛の漁業の弱みがそういった経営基盤が弱小な企業が多いというところで、最終ページの方にも漁家経営の方への金融面での支援などの施策は御説明いただきましたが、このコロナの現状下において、漁家をどのような経営支援策で支えていくのか、もう少し具体的に教えていただきたいと思います。 ○(漁政課長) 制度資金によりまして、漁家への経営支援を行っております。  漁業者の再生産に係る資金につきましては、系統の金融機関で漁業近代化資金がありまして、令和2年度の当初予算ベースで88億円の融資枠を構えています。これにつきましては、基本的な融資の基本利率があり、県や市町の負担で利子補給していますので、漁業者の利子負担はありません。また、昔であれば必要だった保証人につきましても、漁業の信用保証協会による無保証人型の保証対応ができる形で支援しています。  今回のコロナ禍で、今までは生産、販売をして、資金を返還して、また次の経営のために資金を借り入れるという通常のサイクルが乱れておりますので、資金繰りが厳しい漁業者のために、4月補正予算で償還緩和の措置を行うとともに、3億円の追加融資枠を設けております。  現在、漁業者には漁業近代化資金と、その前にリーマンショック以降にありました漁業者緊急支援資金という制度があり、今、現時点は貸付けしていないのですが、10年間の貸付けがありまして、要はお金を当面返さずに、そのお金を手持ち資金として使っていただく償還緩和の措置をそれぞれ4月補正で取らせていただきました。  また、再生産の投資資金のみならず、運転資金、経営資金が不足している経営体には、日本政策金融公庫が農林漁業セーフティネット資金の中で創設したコロナの特別枠では、通常の倍額の借入れが可能となっておりまして、当面の間、無利息、無担保、保証人なしで、15年間で償還する制度となっています。  現在、特に4月に大変だったマダイの養殖業者などを中心に、系統金融機関などを経由して公庫の資金などを借り入れて、当面の資金繰りに対応していると承知しております。 ○(大西誠委員) 私の地元の伊予漁協上灘支所では、養殖もそうですが、やはり通常の漁船漁業でも、チリメンやイワシやハモ、どれも量が取れないので、大変だということをお聞きします。  漁家の方には目先の資金に十分な対応をしているとのことですが、いや、行ってもなかなか貸してもらえないという生の声も時々お聞きしますので、県の方から改めて、漁連の信用協会や実際の金融機関の方に、愛媛の漁業を守っていくためにしっかりと経営を続けようという方に対して、そういう貸し渋りがないよう、指導といいますか、声かけをぜひお願いしたいと思います。 ○(漁政課長) 先ほど、養殖をベースにお話させていただきましたが、当然漁船漁業も特に高級魚を中心に単価が下がっており、場合によっては出漁もできない状況であり、非常に経営が厳しいと承知しております。  先ほど申し上げました公庫の方の農林漁業セーフティネット資金に関しましては、漁船漁業にも対応しておりまして、新型コロナの影響で、昨年度よりも収入が下回ったことを証明することで、借入れができる制度になっております。  個別の案件につきましては、金融機関の方が対応していると思いますけれども、漁船漁業も養殖も分け隔てなく救える制度になっています。大西委員の地元の伊予漁協も愛媛県信漁連の加盟漁協でございますので、信漁連の方で御相談いただけたらと思います。 ○(大西誠委員) 愛媛県産水産物のブランド化ということで御説明いただきました、愛媛の養殖業の大きな2本柱のタイとブリに関しても、みかんブリやチョコブリなど、さらにバリエーションを多くしようという方向と、それから先ほどもお話をいただきました単に魚種を増やすのではなくて新しく売れる魚をどうやって数多く作っていくかが、これからの2つ目の大きな課題だと思います。もちろんタイとブリ以外にも、スマやだてまぐろ、それから先ほど御説明いただいたハタとクエ、これも需要的にはそう多いものではありませんが、多品種の中の一つとしては非常に有力だと思います。  先週もある料理人の方から、いいハタが入ってもすぐになくなるという話を聞いたので、ハタとクエの現状と今後の見通しをもう少し教えていただきたい。 ○(水産課長) 先ほどの漁政課長の説明にもありましたとおり、本県の研究機関でのハタとクエの研究は古く、非常に長くかかりましたが、他県に先駆けて養殖に成功し、実用化しました。  ただハタとクエは高級魚で数少ない魚として養殖試験種苗生産技術開発をしましたので、もともと単価の高い魚種であり、マダイのようにいろいろなところで使われる魚とは少し違って、コロナになる前から、単価が高い魚はそんなにたくさんは出ないこともあり、販売量を増やすのは難しい状況です。
     生産にかかる経費を少なくするためには、例えば、通常ハタとクエは出荷するまでに結構長くかかりますが、それを数か月でも短くすることができれば支出が減って収益が増えるので、養殖期間の短縮等により収益を改善するなどして、現状を維持できるよう努めたいと考えております。  ハタとクエは、非常においしい魚ですけれども、今の状況で需要がこれ以上極端に大きく伸びるのはなかなか難しいと思っております。当然、海外も含めていろいろな販路開拓は必要ですけれども、この数年間の状況を見る限りは、今の状況を続けていくことが必要だと感じております。 ○(大西誠委員) 今、御説明をお聞きしたところ、ハタとクエはもともと量自体が少ないということでした。私の知っているところへ行ったら、なかなか入ってこないし、入ってきたらすぐに売れるとお聞きしたので、データ上の需要はほぼいっぱいでも、どうも需要に供給が追いついていないという現場の声も一部お聞きしますので、ぜひお願いしたい。  また、先々週の愛媛新聞に、八幡浜のハモプロジェクトについての記事がありました。実は愛媛県はハモ生産量全国トップクラスで、水揚げは下灘が一番多いのです。八幡浜がする、下灘がするというのではなく、愛媛の新たなブランドとして、ぜひともオール愛媛でハモの販路に加えて積極的なPRをしてほしい。ハモは地元の伊予市では消費しないで、ほぼ全量が関西圏域、特に京都で売れてしまうので、需給バランスでいいましたら、もっと高付加価値をつけても全量売れる商品だと思います。今後のハモの戦略についてお考えがあったら教えていただきたい。 ○(漁政課長) 大西委員お話しのとおり、ハモにつきましては、愛媛県が生産量全国トップクラスでございまして、天然魚ですので、過去に結構変動がありましたが、ここ数年、量が取れてきてトップになってきた状況です。県内の消費というより、京都を中心とする関西圏での消費が非常に多いので、現在、燧灘や伊予灘などで取れるハモにつきましても、逆に京都の市場の方から買い付けに来られているのが実態でございます。  特に天然魚をブランド化するためには、ある程度の品質の均一化が必要ですので、県全体での統一的なブランド化がなかなか難しいのですが、天然魚で先行している他県につきましては、例えば、大間のマグロや関アジ、関サバなど、地域ブランドとして展開しているケースがほとんどだと承知しております。  県でも燧灘の方でハモをブランド化しようという動きについて、京都辺りから来られた商談のマッチングにも、若干サポートさせていただいておりますので、これからハモがコンスタントに取れていくのであれば、非常に重要な食材であると承知しております。  今回、学校給食に養殖魚だけでなく天然魚などいろいろな魚種がある中で、ハモもその一つとして提供しておりまして、まずは地元で食べてもらうことにより、消費拡大につなげたいと考えております。 ○(大西誠委員) 天然魚に関しまして、ブランド化ネーミングが難しいというのは、分かったのですけれども、やはり関サバなどもありますし、将来的に、京都の料亭に行った方が帰ってきて、京都に行ってヒメハモを食べたよと言ってもらいたいので、ぜひともヒメハモを作ってほしいという地元の期待、希望を込めまして、御検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○(赤松泰伸委員長) ほかに。 ○(西原司委員) 新居浜に住んでいると、水産という面ではすごく縁遠い感じもしています。  先ほどコロナ禍において、えひめ水産応援プロジェクトとして、県内や首都圏に学校給食の食材として提供されたとお聞きしたのですが、どれぐらいの魚の量でどういったメニューを提供されて、また、それに関わった栄養士さんから何かお声があるのであれば、その点をまずお聞かせ願いたいと思います。 ○(漁政課長) 学校給食につきましては、県内給食は4月補正予算で、東京への給食は8月補正予算で、それぞれ計上をさせていただきました。東京都の学校給食への提供につきましては、水産庁と東京都が調整中でございますが、県内の給食につきましては、全市町でこの事業に取り組んでおりまして、7月の八幡浜市の給食を皮切りに、3月までに約140万食を提供することとしております。いろいろな愛媛の食材を使っていただくため、提供する魚は天然魚も含めて、マダイをはじめ、スマやブリ、先ほどお話のありましたハモを予定しております。  特にマダイにしても単価が高く、今までなかなか学校給食では取り入れにくかった食材ですので、利用促進を図るために、県内各地で栄養士や栄養教諭などにお集まりいただいて、メニューの提案や試作を実施しておりまして、いずれも好評でした。特に学校給食は安心・安全が第一ですので、生の魚は提供できず、加熱がベースになりますので、加熱してもおいしく食べられる、学校のメニューにも十分使えるというメニューを提案していただき、これを踏まえて、それぞれの食材を愛媛県漁協にオーダーいただいている状況です。  また、学校給食への食材提供とあわせて食育教育を行いまして、県産魚のファンを増やす取組を行っていきたいと考えております。 ○(西原司委員) 県産品の魚が給食を通じて、県内の子供たちに届いているということは率直にうれしいと思いますし、新居浜にもそういう食材が提供されたとお聞きしております。  新居浜に住んでいるとなかなか感じにくいのですが、内陸と宇和海沿岸で養殖の現状を見て、愛媛県は本当に水産の県だと思いました。せんだって伊方町へお邪魔したときに、海士の男性の方が素潜り漁で生計を立てているとお聞きして、こういった御職業で生活が成り立つのだと改めて感じました。  給食で提供されている中で、例えばタイ一つ取っても、南予と東予でタイの食べ方が全然違うという現状もあります。特に家庭において多分魚離れもまだ続いていると思いますので、今回の学校給食事業を通じて食育という部分にも波及していけるように行っていただきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。 ○(漁政課長) 食育につきましては、コロナ禍にかかわらず非常に重要な課題であると従来から認識しておりまして、単に食べるだけでなく、まずその背景にある愛媛の水産業のことをよく知って、魚を食べていただくことが非常に重要であると考えており、学校の食育教材をリニューアルするほか、スーパーでのメニュー提案を行っておりまして、新型コロナによる一過性のもので終わらせることなく、今後とも、継続的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○(赤松泰伸委員長) ほかに。よろしいですか。             〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○(赤松泰伸委員長) それでは、質問もないようですので、以上で質疑を終了いたします。  なお、次回の議題について、御意見等がございましたら私の方にお寄せいただきたいと思いますが、御意見等を踏まえて議題、出席理事者等の詳細は私に御一任いただくことで御異議ございませんか。            〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○(赤松泰伸委員長) 御異議ないものと認め、そのとおり決定いたします。  以上をもちまして、地方創生産業振興対策特別委員会を閉会いたします。               午前11時29分 閉会...